もの食う人々 辺見 庸

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はまぞう で検索したけど出てこなかったので、
アマゾンのリンクを貼っておく。


この本が書かれたのが1994年、
実はほんの10数年前の話なんだけれど、
その時点から現在まで、
世の中ってものすごく変わってきたなぁと思う。

自分が持っているのが文庫の三版で、平成9年となっているので、
すでに働いていたはず。
仕事もぼちぼち覚え始めて、気軽な気持ちで手にしたことを覚えている。
そしたら、一番最初のパートが、「残飯をくらう」で、
残飯と普通の飯とで、ちゃんと値段がちがうとか、
そんな記述がやたらと自分の中の印象として残っていた。

部屋掃除をしていたら発掘されたこの文庫本、
そんなことぐらいしか覚えていないまま読み返したのだが、
多分買った当時よりも、今回のほうが、
やたらと腹のそこに自分の気持ちが来る。

もちろん10年近く経つうちに、
自分も多少は世界を見てきたり、
他の国との関係を気にしたり、
作品の中で描かれている事件に進展があったりと、
それなりに変化はあって当然なのだけれど、
それにしても、どうしてなんだろう。

書かれていることの重苦しさより、
過ぎていった年月が、とてもとても重く感じられた再読だった。
こんなことはなかなかないかも。